
大学生活と聞いて、多くの人が思い浮かべるものの一つが「飲み会」ではないでしょうか。
大学のゼミや研究室、サークル、学部の親睦会、新歓コンパ、打ち上げ……こうした飲み会は、いわば「大学文化」の一部として広く浸透しています。
初対面同士の距離を縮めたり、集団内のつながりを深めたりする目的で開催されることが多く、参加を当然視されることもしばしばあります。
しかし一方で、「飲み会が嫌い」「行きたくない」と感じる学生も少なくありません。まさしく、当記事執筆者がそうです。
なぜなら、すべての人が「お酒の場」や「大勢での交流」に心地よさを感じるわけではないからです。
そこで当記事では、大学の飲み会が苦手な人に向けて、うまく断る方法、無理をせず自分らしい人間関係を築くコツなど、当記事執筆者の経験ももとに、丁寧に解説していきます。
この記事を書いた人のプロフィール
高校生から、親の介護をしていたので、介護をしている事実を話さずに、かつ、友だち関係を悪化させずに、いかにして、飲み会への参加を断るのか、突き詰めてきました。
そもそもですが、介護をしているという事実に関係なく、飲み会はあまり好きではありませんので、介護をしていない現在も、飲み会は基本的にお断りです。
なぜ大学の飲み会が嫌いと感じるのか?

大学生は、いつ何時も、飲み会というイメージをもっている方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、飲み会が嫌い、飲み会に行きたくないという大学生がいることも事実です。実際に、この記事をご覧いただいている多くの大学生は、飲み会が嫌いな方でしょう。
まず、最初に、なぜ、大学の飲み会は嫌いと感じてしまうのか、述べてまいます。
大きく、下記の4つの理由があります。
- 空気感がつらい
- お金と時間の無駄に感じる
- 自分の価値観と合わない
- 飲酒の供用やアルハラ
詳しく見てまいります。
空気感がつらい
飲み会では、仲の良いグループが盛り上がることが多く、初参加や疎遠なメンバーにとっては疎外感を抱きやすくなります。
下記のような空間に我慢できないという方、いらっしゃるのではないでしょうか。
- 内輪ネタで盛り上がる会話
- テンションの高さを求められる雰囲気
- 大声での盛り上がり などなど
内向的な人や人混みが苦手な人にとって非常に居心地の悪い空間となります。「ただその場にいるだけ」で疲弊してしまうケースも少なくありません。
関連記事「【悩む心配なし】大学で友達がいなくても大丈夫!ぼっちを楽しもう!」(内部リンク)
お金と時間の無駄に感じる
飲み会は、一般的に1回あたり3,000〜5,000円程度かかります。
十分に稼ぐことのできない学生にとっては決して安くない出費です。
また、飲み会に参加している時間だけでなく、移動や待ち時間も含めると数時間の時間を費やすことになります。
忙しいスケジュールの中で「この時間とお金で何ができたか」と虚無感に襲われることもあります。

飲み会は、生産的でないと感じてしまいます。
関連記事「大学生は暇というイメージがあるが、実は忙しい?忙しい理由とは」(内部リンク)
自分の価値観と合わない
飲み会への参加が、自分の価値観に鑑みて、明らかに乖離があると感じることがあります。
例えば、健康志向でお酒を避けていたり、夜型のイベントを好まなかったりする場合、飲み会の存在自体が「価値観の衝突」になりえます。
さらに、「騒ぐより静かに読書がしたい」「自分のペースを崩したくない」という思いをもつ人にとって、飲み会の非日常的なテンションは苦痛でしかないのです。
飲酒の強要やアルハラ
「とりあえず一杯」「飲まなきゃ損」「先輩が注いだら断れない」・・・。こうした言葉が飛び交う飲み会では、アルコールを強要されることがあります。
これは明確な「アルコールハラスメント(アルハラ)」に該当します。
アルコールハラスメント(アルハラ)とは、飲酒に関連する嫌がらせや人権侵害のことをいいます。
大学生の多くが未成年で入学してきます。当然、未成年者はお酒を飲んではなりませんが、飲まされてしまうという事例も聞きます。
また、20歳以上でも、体質的にアルコールを受け付けない人や、健康・宗教・家庭の事情で飲まない人もいます。
それにもかかわらず、「飲めない=ノリが悪い」「空気が読めない」といった空気があると、強いストレスを感じてしまうのです。
お酒を飲みたくないのに、何度も誘われたり、断っても文句を言われるようであれば、毅然とした態度をとる必要があります。
飲酒の強要により、大学生が死亡するという事例は、実際に、発生しています。
関係を壊さないことより、自分を守ることが優先です。
そもそも、飲酒を強要するような人は、友だちとしてふさわしくありませんので、関係をもたないのが賢明です。
どうしても自分だけでは解決ができない場合は、学内の相談窓口に相談しましょう。多くの大学には学生支援室やハラスメント対応窓口があります。
飲み会に行かないという選択はあり?

飲み会が嫌いな理由を述べてきましたが、それでは、飲み会に行かないという選択をとってもよいものなのでしょうか。
日本の集団文化において、「和を乱さない」ことが重視される傾向があります。
そのため、「飲み会に行かない人=協調性がない人」といったレッテルを貼られることを心配する学生は少なくないでしょう。
しかし、これは誤った固定観念です。
協調とは何か。「参加=協調」ではなく、「尊重し合う関係性=協調」です。つまり、自分が無理をせず、相手も無理を求めない関係が理想なのです。
ここで気になるのが、人間関係への影響でしょう。
確かに、飲み会に参加しないことで、多少の距離ができることはあるかもしれません。
しかし、それが即「嫌われる」「仲間外れになる」とは限りません。
むしろ、普段の授業や活動の中でしっかりコミュニケーションをとっていれば、飲み会を断っても信頼関係は築けます。

しがたって、飲み会に行かないという選択は「あり」です。では、どうやって断るのがよいのか。続いて見ていきます。
断り方の例

それでは、ここからは、飲み会へのお誘いに対して、実際にどう断るか、その言い方やテクニックを、私の経験ももとに具体的に紹介していきます。
ポイントは下記の4つとなります。
詳述していきます。
体調・予定を理由にする
最も穏便に飲み会への参加を断るには、体調や予定を理由にするのがよいでしょう。
断り方の例

その日は体調がすぐれないので、今回は見送らせてください。

すみません、その日どうしても外せない予定があって…。
定番ではありますが、波風立てずに断ることのできる有効な方法です。
一方で、毎回、同じ人やグループから飲み会へのお誘いを受けるたびに、同じような理由でお断りすると、怪しまれる可能性がありますので、注意してください。
お金の都合を伝える
大学生という地位を活用して、断る方法があります。それは、お金の都合です。
親からの仕送りが多い方は別として、お金がないことは多くの大学生の共通事情であるといえます。そのため、非常に共感されやすい断り方です。
断り方の例

今月出費がかさんでて、厳しくて…

ちょっとバイトのシフトが足りなくて節約中なんです。
リアルな理由ですので、相手も無理に誘いにくくなります。
一方で、ある程度、儲けのある社会人になると、お金を理由に断ることは難しくなります。大学卒業後は、お金を理由に飲み会への参加を断るのはやめておいたほうが無難です。
飲酒ができない、苦手だと率直に言う
「飲酒ができない」「飲み会が苦手」だと率直に伝える方法もあります。
誠実な断り方として効果的で、特に、ある程度、関係性のある人にはこの方法でも問題ありません。
健康や宗教を理由にすれば、深く追及されにくくなります。
断り方の例

お酒が体質的にダメで、飲み会の場にいるのもちょっとつらいんです

下戸なので、飲み会の空気がちょっと苦手で…
誤解を避けつつ、相手に配慮も伝わります。
なお、アルコールが禁じられている宗教は、イスラム教、モルモン教(キリスト教の宗派の1つ)となります。
もし、上記の宗教の信者である場合は、宗教を理由に断るのもよいでしょう。
「飲み会に参加しない人」の立ち位置を確立する
誘いに対して即答せず、次第に距離をとっていく方法もあります。遠回しにフェードアウトしていくのです。
断り方の例

参加できるかギリギリまでわからなくて…また連絡します

最近忙しくてちょっと余裕なくて、また落ち着いたら
「参加しない人」という立ち位置を、少しずつ確立できるようになります。
人間関係を悪化させないためのコツ

飲み会の参加を断ると、人間関係を悪化させてしまうのではないか・・・、と懸念している大学生もいるでしょう。
さほど心配する必要もないのですが、ここでは、人間関係を悪化させないためのコツを、3つ、お伝えしましょう。下記の通りです。
- 普段のコミュニケーションが重要
- 感謝の言葉と丁寧な言葉遣い
- 自分の「軸」をもつ
普段のコミュニケーションが重要
第一に、普段のコミュニケーションは重要です。
飲み会に参加しない分、普段の活動中に会話や雑談などを積極的に行うことで、人間関係のバランスを保つことができます。
「飲み会にはいないけど、感じの良い人」と思われることが、信頼関係を築く秘訣です。
飲み会に代わるコミュニケーションの提案
- ランチ・カフェでの交流
お昼の時間帯であれば、お酒もなく静かな空間で会話できます。飲み会が苦手でも、こうした場なら参加できるという人も多いはずです。 - 活動中の会話を大切に
飲み会が交流の場ではなく、研究やサークルなどの普段の活動時間こそが人間関係を深めるチャンスです。積極的に関わっておくことで、飲み会不参加の影響を最小限にできます。 - 少人数の交流にシフト
2〜3人の小規模な会話や食事なら、気疲れもしにくく、お互いの理解が深まるかもしれません。信頼できる仲間とだけ過ごす時間は、飲み会以上に意味のあるものになることもあります。
感謝の言葉と丁寧な言葉遣い
第二に、感謝の言葉と丁寧な言葉遣いです。
飲み会に誘ってくれたことに、「誘ってくれて、ありがとうございます」「お気遣い嬉しいです」と、感謝の気持ちを伝えることは重要です。
また、丁寧な言葉遣いも重要です。相手への配慮をせずに、一方的に拒否してしまうと、それこそ、人間関係を悪化させてしまいます。
「良い感じの断り方」を意識するようにしましょう。
自分の「軸」をもつ
第三に、自分の「軸」をもつ、ブレない姿勢をもつことも大切です。
「自分はこういうスタンスでいる」という明確な軸を示すことで、相手にも伝わりやすくなります。
ぶれずに一定の距離を保つことで、周囲も「そういう人なんだな」と理解を示してくれるようになります。
優柔不断な態度は、望ましくありません。
最後に 〜自分らしく生きる大学生活のために〜
大学生活は、「自分を知る時間」でもあります。飲み会が好きな人もいれば、苦手な人もいて当然です。
大切なのは、自分の気持ちを否定せず、無理をせず、自分に合った交友関係を築くことです。
飲み会に参加することが「正義」でもなければ、行かないことが「孤立」でもありません。あなたの価値は、飲み会の出欠で決まるものではないのです。
周囲に合わせすぎて疲れるくらいなら、勇気を持って断ること。断った後も礼儀と感謝を忘れなければ、円満な人間関係を保つことは可能です。
自分の心の声に正直に、心地よく過ごせる大学生活を、ぜひ築いてください。