近年、注目を集めている散骨。散骨とは、故人の遺骨を撒いて供養する方法です。
以前まで、遺骨については、墓地に埋葬されるのが普通でしたが、様々な事情で、散骨を希望する人が増えています。
一方で、散骨はまだまだ十分に認知されていないところもあります。そのため、散骨について、不安に思う方も少なくありません。
そうした中で、散骨をすることは望ましくありませんので、散骨をする前は、しっかりと散骨について理解する必要があります。
そこで、当記事では、散骨によって後悔する代表的な原因と、後悔しないようにするためのポイントを解説いたします。
散骨で後悔することがないように、散骨についてしっかりと理解をしていきましょう。
散骨について
改めてにはなりますが、散骨とは、故人の遺骨を撒いて供養する方法です。
一部からは、「散骨は違法だ！グレー行為だ」という声が聞かれますが、散骨は違法でもグレー行為でもありません。
※条例によって、散骨が禁止されている地域もありますので、ご注意ください。条例で散骨が規制されている地域については、こちらの記事をご覧ください。
墓地埋葬法に規定されていない供養の方法のため、「違法だ」という声が聞かれますが、適切な手順を踏めば、散骨は全く持って問題ありません。
散骨といえば、海洋散骨を思い浮かべる方が多いですが、ルールやマナーを守れば、自分で山林に散骨をすることも問題ないですし、自宅の庭に散骨をすることもOKです。
山林等に遺骨を埋めるという行為は埋葬となります（許可のない埋葬は違法です）。あくまで、散骨は、遺骨を撒くことですので、ご注意ください。
散骨の基本について述べてきたところで、散骨で後悔する原因について探っていきましょう。
散骨で後悔する4つの原因
それでは、ここからは、以下の通り、散骨で後悔する原因について述べていきます。
散骨で後悔することがないように、しっかりと理解をするようにしてください。
手元に遺骨が残らない
散骨をすると、故人の遺骨が無くなることになります。
確かに、遺骨を墓地に埋葬するようであれば、その墓地に行けば、故人の遺骨の近くに行くことができます。
しかしながら、散骨（とりわけ海洋散骨）の場合は、散骨をした場所に行っても、故人の遺骨が近くにあるわけではありません。
それ故、寂しい気持ちになる遺族の方が少なくないのです。
散骨は故人を自然に還すための葬送の方法といってもよいでしょう。宗教面から散骨について考えてみるのも大切です。
後述しますが、ここでのポイントは、遺骨を全て散骨しないことです。
親族の理解がない
親族の理解がないまま散骨を強行することになると、当然ながら、気持ちよく散骨を行うことができません。
散骨は、新しい供養の方法のため、理解を得ることが難しいことがあります。
散骨を行うことにより、親族間でトラブルになり後悔することがないよう、散骨を行う前に、しっかりと親族に理解を得るように努めてください。
また、散骨をする際は、可能な限り、親族の皆さんが参加をされることが望ましいでしょう。
業者選びに失敗する
とりわけ、散骨の中でもメジャーな海洋散骨の場合は、自分で実施することが困難なため、業者にお願いをすることになるでしょう。
散骨業者によって、実施しているサービス内容や料金は異なってきます。
それ故、業者選びに失敗してしまうと、後悔の残る散骨になってしまう可能性があります。
後述しますが、業者選びは慎重に行ってください。くれぐれも、価格やグーグルの口コミ・評価だけで業者を決めないようにしてください。
海洋散骨については、船舶の航行を伴うため、専門業者に任せるのが良いですが、一方で、自分だけで散骨を行える場合もあります。
とりわけ、山林への散骨については、ハードルが低いため、自分でも実施可能でしょう。
下記記事にて、自分で散骨を行うための手順を解説しています。
関連記事「自分で散骨をするのは可能？散骨をできる場所や注意点とは」（内部リンク）
散骨でトラブルが発生する
業者に散骨を任せる場合は、業者選びに失敗しない限りは、散骨によるトラブルは起こらないでしょう。
というのも、大多数の業者は、散骨のルールやマナーを熟知しているからです。
一方で、自分で散骨を行う場合は、散骨のルールやマナーを知らなければ、トラブルにつながりかねません。
自分で散骨を行うという場合は、しっかりと、散骨のルールやマナーを理解するように努める必要があります。
散骨で後悔しないための4つのポイント
ここまでは、散骨によって後悔する原因として、
- 手元に遺骨が残らない
- 親族の理解がない
- 業者選びに失敗する
- 散骨でトラブルが発生する
ということをあげました。
ここからは、それぞれの原因について、どのようにしたら、後悔のないようにできるのか解説をしていきます。
それぞれ、見ていきましょう。
少量の遺骨を残しておく
散骨による後悔として、「手元に遺骨が残らない」ということをあげました。
確かに、全ての遺骨を散骨してしまいますと手元に遺骨が残りませんが、必ずしも全ての遺骨を散骨する必要はありません。
散骨後に寂しい気持ちになることが想定される場合は、少量でよいので、遺骨を残しておくようにしましょう。
後々になって、散骨を後悔することもあるかもしれませんので、遺骨を少しだけでも残しておくことは、強くおすすめします。
残した少量の遺骨については、手元供養をするのが良いでしょう。
手元供養により、故人の遺骨を身近な場所に保管できたり、持ち歩いたりできるので、安心できる方が少なくないでしょう。
親族からしっかりと理解を得る
散骨をめぐって、親族間でトラブルにならないように、散骨をする前に、親族からしっかりと理解を得ておくことは大切です。
散骨は、比較的、新しい供養の方法のため、世間一般では、まだまだ、理解が進んでいないところがあります。
いまだに、「違法だ」「グレーゾーンだ」といった声も聞こえてきます。
そのため、散骨について拒否反応をされる親族がいらっしゃることは、決して不思議なことではありません。
散骨は、火葬を終えてからのことですので、決して急ぐ必要はないのです。
時間がかかっても問題ないので、親族からしっかりと理解を得たうえで、散骨を行うようにしましょう。
可能であれば、散骨の場に、親族の皆さんも立ち会ってもらうようにしましょう。
業者選びを慎重に行う
業者選びの失敗を避けるためにも、業者選びは慎重に行うようにしてください。
といいますのも、業者によって、サービスの内容は価格が異なるからです。
まず、大前提として、実態のある法人なのか、しっかりと確認をしましょう。また、海洋散骨を専門としている業者を選んでください。
価格やグーグルの口コミ・評価だけで、業者を選ぶことは禁物です。
なお、節度ある海洋散骨を推進している事業者団体「日本海洋散骨者協会」の加盟事業者ならば、比較的、安心して散骨を実施できると考えてよいでしょう。加盟事業者一覧はこちら。
散骨のルールやマナーをしっかりと理解する
散骨は違法ではないということを申しましたが、やり方を間違えますと、違法行為にもなりかねません。
例えば、
- 粉骨を十分に行わずに散骨を行ってしまえば、遺骨遺棄罪
- 遺骨を埋めることは散骨ではなく埋葬となりますので、許可がなければ、法律違反
- 不定期航路事業の許可を得ていない海洋散骨は違法
などなど、散骨を行うにあたって守るべき法律はたくさんあります。
また、
- 水源地に散骨をすることは望ましくない
- 喪服で散骨をすることは望ましくない
- 他の漁船のすぐ近くで海洋散骨をすることは望ましくない
などなど、散骨を行うにあたって守るべきマナーもあります。
そうしたルールやマナーをしっかりと守って、散骨を行うことが、トラブル防止につながります。
まとめ
最後にまとめです。
散骨で後悔しないためにも、散骨についてしっかりと理解をするようにしてください。
とりわけ、海洋散骨の場合は、業者に依頼をすることになることが多いですが、業者選びはくれぐれも慎重に行うようにしてください。