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散骨をするときの適切な服装とは?喪服はNG?

散骨をするときの服装

近年は、家族形態等の変化により、「散骨」を望む人が増えています。散骨とは、故人の遺骨を撒いて供養する方法です。

「お墓の管理ができない・・・」などの理由で、散骨をしたいという人もいらっしゃるかと思います。

しかしながら、散骨はまだまだマイナーな供養の方法であるため、散骨について疑問に思われる点も、多々、あることでしょう。

そうした疑問点の1つとして、今回は、散骨をするときの服装について取り上げます。

とりわけ、

一般的な弔事の場では喪服を着用するのが基本だけど、散骨はどうなのかな・・・?

と思われる方も少なくないでしょう。

当記事では、散骨をするときの適切な服装について、解説していきます。

当記事の要約

散骨をするときの、服装は平服・普段着でOK。むしろ、喪服はNGです。

喪服を着ることがNGである理由はいくつかありますが、最も大きな理由は、周囲の人々に配慮をすべきだからです。

散骨をするときの服装とは

海洋

それでは、散骨をするときの適切な服装について述べていきましょう。

最低限のマナーとして、喪服はNGということは覚えておきましょう。

後で見ますが、散骨をする場所は、海洋や山林など、一般の人も出入りをする場所です。そうした人への配慮が必要なのです。

喪服はNG

一般的な弔事の場では、故人への弔意を示すため、喪服を着用するのが基本です。むしろ、喪服ではない、普段着はNGです。

一方で、散骨をするときは、反対に、喪服を着用することは、原則NGです。周囲への配慮などが主な理由です。

なお、海洋散骨の業者の中では、少数ながら、喪服でもOKとしているところもあります。確かに、一般の人が全く来ないことを保証できる場合はよいでしょう。

ただし、喪服はNGとしているところが多数派であるため、散骨をするときの服装は、「原則、喪服はNG」と覚えてください。

散骨をするときは平服・普段着で

では、喪服がNGならば、どのような服装ならば問題ないのかということになってきます。

問題のない服装は、平服(普段着)です。

平服というと、弔事においては、略喪服を指すことが少なくありません。

喪服には、「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3種類があり、そのうち「略喪服」については「平服」と言われます。ここでいう「平服」とは、ダークスーツや控えめな色のワンピースなどです。

一方、散骨をするときの服装については、普段着のような恰好で差し支えありません。散骨における「平服」=「普段着」と覚えておいてもOKです。

ただし、散骨においても、故人への弔意を示すことには変わりはありませんので、華美な格好は控えるようにしましょう。

喪服がNGである理由

喪服の男女

続いて、散骨をするとき、喪服を着ることは、原則NGである理由を説明していきます。理由は大きく以下の3点となります。

喪服を着ない理由

  • 周囲に配慮するため
  • 船に乗ったり、山に登ったりするため
  • 散骨は自由な葬送の一種であるため

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

周囲に配慮するため

まず、周囲の人への配慮が必要なためです。

散骨をする場所は、一般の人々が行きかう場所でもあります。

例えば、海洋散骨の場合は、港やマリーナには一般の人がいるでしょう。また、海上には、近くに、漁船で漁をしている漁業関係者がいるでしょう。また、近くに砂浜があれば、レジャー客がいるでしょう。

また、山林で散骨をする場合でも、散骨をする場所へ行くときに、登山客や林業関係者に出会う可能性は否定できません。

そうした一般の人が、喪服の一団を見ると、どう思うでしょうか。あまりいい思いはしないと思います。

周囲の配慮という意味で、喪服は着ないのがよいでしょう。

一般の人々の心情(宗教的感情)を害することを避けるためにも、喪服を着るのは避けましょう。

船に乗ったり、山に登ったりするため

海洋散骨をする場合は船に乗ることになりますし、山林へ散骨をする場合は山登りをすることになります。

そのため、安全面を考慮して、できる限り動きやすい服装であることが重要です。

そのような意味でも、喪服は避けるべきです。

海洋散骨の場合

暴露甲板に乗船する人は、「船舶職員及び小型船舶操縦者法」により、救命胴衣の着用が義務着けられています。喪服ならば、救命胴衣の着用も、一苦労です。また、潮風が吹き付ける場所ですので、喪服は適さない服装です。

山林への散骨の場合

登山をすることとなります。当記事執筆者も、たびたび、登山に出かけますが、スーツ、ましてや、喪服の登山者など山で見かけたことがありません(喪服では危険です)。動きやすい服装で大丈夫です。

服装だけでなく、靴についても、滑りにくいものを履くようにしましょう。

散骨は自由な葬送の一種であるため

最後に、散骨は自由な葬送の一種であるという観点に注目します。

散骨は、一般的な供養の方法とは異なるもので、これまでの宗教観に囚われたくないという人にも人気です。

それ故、自由な葬送という観点から、服装についても、厳しく規定されていないことが多いのです。

ただし、自由な葬送であるとはいえ、喪服については、前述の通り、周囲への配慮や安全面を考慮すると、散骨において推奨できるものではありません。

主催者は参加者にアナウンスを

海上

近年、散骨が注目を集めているとはいえ、散骨を実際に見たことがあったり体験したことがあったりする人は、依然として、少数派です。

そのため、散骨をするときの服装について、多くの人が理解しているとはとてもいえません

そのため、散骨を主催する親族代表の方は、散骨の参加者に対して、事前に「当日は、普段着でお越しください」などとアナウンスをしておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

散骨の服装について、とりわけ、周囲への配慮という観点が大切です。

一般の人が、喪服を着ている一団を、海や山で見るということになると、当然、心情を害することなります。

そうしたことが多発して、散骨に対して世論がマイナスのイメージを持つことになると、散骨が規制される可能性もあります

近年、散骨が注目されている状況が続いていますので、散骨に関わる当事者の皆さんは、散骨のマナーやルールをしっかりと守ることが大切です。

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