大学の進学を考えている高校生は、周囲の大人などから、「オープンキャンパスに、一度、行ってみなさい」と言われたことはありますでしょうか。
私も、親や学校の先生などから、オープンキャンパスに行くべきだと諭されたことがあります。
しかし、私は、大学のオープンキャンパスには、一度も、行くことはありませんでした。
ただ、それで何か問題があったかといえば、全く問題にはなりませんでした。
周囲から「オープンキャンパスに行ってみなさい」と言われたからといって、無理をしてまで、大学のオープンキャンパスに行く必要はないのです。
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大学のオープンキャンパスに行きたい人は行けばよいが、行きたくない人は行く必要はありません・・・というのが、当記事の要約です。
当記事では、なぜ、必ずしも、大学のオープンキャンパスに行く必要はないのかということ中心に述べてまいります。
詳しく見てまいりましょう。
大学のオープンキャンパスに行く理由!意味がないとは言わないが…
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毎年夏から秋にかけて、多くの大学で実施されているオープンキャンパス。
多くの高校生が、そのオープンキャンパスに参加をされています。
大学のオープンキャンパスには、高校3年生の参加が最も多い傾向がありますが、高校2年生や高校1年生の参加も、一定数、あります。
なぜ、高校生は、大学のオープンキャンパスに行くのでしょうか。主な理由は、下記の通りです。
- 大学の雰囲気や施設、立地などを、自ら体感することができる
- 模擬授業で、大学の学問がどのようなものなのかわかる
- 受験勉強のモチベーション維持・向上につなげられる
- 大学関係者や現役大学生に対して、入試や大学生活などについて相談をすることができる
- 記念品をもらえる
こうしたメリットがあるので、多くの高校生は、大学のオープンキャンパスに行っています。
また、高校生からすると、普段、入ることのない大学に入構できるだけでも、かなりワクワクする体験となるかもしれません。
いつもの高校とは異なる教育機関に行って、ワクワクしたいという高校生もいるでしょう。
大学のオープンキャンパスが、全く意味がないということではありません。
必ずしも、オープンキャンパスに行く必要はない
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一方で、
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大学のオープンキャンパスに行くのが面倒。周囲から「オープンキャンパスに行け」と言われるが、正直行きたくない。
と思っている高校生もいるでしょう。まさに、当記事執筆者がそうでした。
そんな高校生に私が伝えたいこと、それは、「必ずしも、大学のオープンキャンパスに行く必要はない」ということです。
なぜ、行く必要はないのでしょうか。その理由は次の通りです。
- 大学の様子はHPやパンフレットである程度わかる
- オープンキャンパスでは、大学の良いところしかわからない
- 基本的に、授業の特徴は”大学”ではなく”先生”の違いによるもの
- 学びたい学問を発見するには、その分野の基礎レベルの教科書を読むだけで十分
オープンキャンパスの主なプログラムといえば、大学見学と模擬授業です。
主に、大学見学と模擬授業に焦点をあてて、詳しく見ていきます。
大学の様子はHPやパンフレットである程度わかる
大学のオープンキャンパスは、高校生自ら、大学の施設等を見学できるということです。
しかし、今や、大学の様子は、大学が発行しているパンフレットはもちろん、ホームページでも詳細に確認することができます。
大学は、入学者を確保するため、公報にかなり力を入れています。
人気大学など、公報をしなくても入学者が集まる大学も、それなりに公報については力を入れています。
とりわけ、現代は、インターネットが非常に発達しています。
大学の公式ホームページやSNSを見ると、大学の様子はよくわかります。
また、大学公式のHPやSNS以外でも、非公式で、現役大学生などが情報発信をしていることは、たびたび、あります。
インターネットを駆使すると、大学の様子は十分にわかるでしょう。
それでも、「大学の様子を、自ら、体感したい」というようであれば、オープンキャンパスに参加をするのがよいと思いますが、意外にも、パンフレットやSNSの情報と大差ないことがわかると思います。
「大学に行かないとわからないことがある」というのは雰囲気の話で、事実関係については大学に行かなくても十分にわかります。
高校生は、インターネットを非常に駆使できる年代ですので、ネットで大学情報を収集しましょう。
オープンキャンパスでは、大学の良いところしかわからない
次に、大学側の視点から見てまいります。
大学にとって、オープンキャンパスは、大学施設などを、高校生にPRする格好の機会となります。
オープンキャンパスのプログラムは、当然ながら、大学が組むこととなりますので、高校生は、大学にとって都合の悪い情報は入手できない可能性があります。
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それならば、大学のパンフレットを見るのと、相違ないじゃないか!!!
以上のように考える高校生もいると思いますが、その通りで、大学のパンフレットやホームページに掲載されている情報以外は、なかなか入手するのが難しいです。
大学のオープンキャンパスで、大学の悪い評判や口コミについて確認をするのは、難しいとお考えいただけたらと思います。
実は、私も、中学生のときの地域学習で、中学校の近くにある某有名大学のオープンキャンパスに行かされたことがあります。
大学の方曰く、高校生がオープンキャンパスで受けるプログラムと同様のものだったようです。
私は、もちろん、その大学の情報を、事前に、ホームページで収集していきましたが、オープンキャンパスで知ることができたのは、ホームページ等に掲載されていることばかりでした。
「大学の裏側」みたいなことを知りたかった当時の私にとって、大学のイメージについて、参加後に変化するということはありませんでした。
基本的に、授業の特徴は”大学”ではなく”先生”の違いによるもの
大学のオープンキャンパスといえば、模擬授業です。
模擬授業を受けると、当該大学で実際に行われている授業を体験することができます。
しかしながら、その模擬授業で行われたことが、その大学全体で行われているわけではありません。
大学の授業は、大学の違いではなく、先生の違いによって、その特徴があらわれます。
もっと言うと、非常勤で複数の大学に勤務している先生もいます。したがって、例えば、ライバル大学のA大学とB大学で、同じ先生が同じ授業をするということはよくあることです。
なお、模擬授業をする先生は、大学を代表して、高校生に授業をしているため、有名な先生に模擬授業を担ってもらったり、高校生ウケすることを話したりしていることは、十分に考えられます。
高校生にも興味をもってもらえるような構成になっているのです。
模擬授業こそが、当該大学の授業の特徴であり、当該大学の教育の特徴であるということは大きな間違いです。十分にご注意いただきたいと思います。
あくまで大学のPR・広報のための模擬授業ということができます。そのような意味で、実は、教壇に立つ先生も、葛藤を抱いている可能性は十分にあります。
学びたい学問を発見するには、その分野の基礎レベルの教科書を読めばよい
最後も模擬授業についてです。
模擬授業を受けると、当該学科の学問は、どのようなものなのか、ある程度、イメージをつけることができますという意見を聞きます。
もっと具体的に述べると、例えば、「経済学に関する模擬授業を受けてみたけれど、どうも、自分には合わない学問だ。経営学の方がよいかもしれない」と思うことがあるかもしれません。
しかし、繰り返しにはなりますが、オープンキャンパスの模擬授業は、あくまで、高校生が当該大学に興味をもってもらえるような構成となっています。
したがって、模擬授業で、自分の学びたい学問を確定する、もしくは、変更するということは、あまりに早計です。
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模擬授業だけで、入学を希望する学部や学科を決定したり変更したりすることは、やめましょう。
学びたい学問を発見するには、模擬授業を受けるのではなく、その分野の最も基礎的なテキスト(教科書)を読んでみることをおすすめします。
そうすると、ある程度、自分がどんな学問に興味があるのかということを理解できるようになります。
オープンキャンパスのメリットとして、「大学関係者や現役大学生に対して、入試や大学生活などについて相談をすることができる」ということを前述しました。
この点に関しては、オープンキャンパスに行かないと、どうにもなりません。
大学関係者や現役大学生などと、直接、お話をしたい場合は、オープンキャンパスに行くのがよいかと思います。
オープンキャンパスに行かないことが不利になることは基本的にない
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一方で、気になるのが、大学のオープンキャンパスに行かなかったことによる、入試の影響についてです。
結論を先に述べますと、基本的に、大学のオープンキャンパスの参加が、入試に影響を与えることはありません。
オープンキャンパスに参加をしているからといって、入試において、加点がなされるということはありません。
そのため、オープンキャンパスに参加をしていても入試が不合格になる場合がありますし、オープンキャンパスに参加をしていなくても入試が合格になることがあります。
オープンキャンパスに行っていない大学を志望校にすることを不安に思っている受験生もいると思いますが、全く問題ありません。
総合型選抜など面接がある場合は、行っておいた方が無難
総合型選抜(旧AO入試)では、面接が課されることがほとんどです。
大学のアドミッションポリシーに合っているかどうかを判断することを目的に、面接が実施されます。
面接では様々なことを聞かれると思いますが、たびたび、質問される項目として、「オープンキャンパスの参加有無、印象」をあげることができます。
オープンキャンパスの参加有無については、当然、参加をしていた方が、評価が高くなります。
そのため、総合型選抜を受ける方は、面接対策のため、オープンキャンパスに行っておいが方が無難です。
大学の印象については、正直言って、オープンキャンパスに行かなくても、いくらでも話すことができるでしょう。
しかし、オープンキャンパスに参加をしたか否かは、あくまで、事実でしかありませんので、「Yes」or「NO」以外の回答はできません
面接で嘘をつくことは、望ましくないので、総合型選抜を受ける方は、オープンキャンパスに行っておくのがよいでしょう。
なお、学校推薦型選抜についても面接があります。こちらも、同様に、オープンキャンパスの参加有無を聞かれる場合があるので、ご注意ください。
普段の大学の様子を知るには
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オープンキャンパスは、あくまで、大学が学生にPRをすることを目的に実施されているということを述べてまいりました。
そのため、あくまで、大学が用意したプログラムを受けるということになりますので、大学の普段の様子を確認することは難しいでしょう。
大学の普段の様子を確認したい場合は、授業のある平日に、大学の構内を見学するのがよいでしょう。
しかしながら、原則、講義棟と研究棟への立ち入りは禁止です。
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講義棟や研究棟へ入りたい場合は、事前に大学関係者に許可をもらってください。さもなければ、単なる、不法侵入となってしまいます。
大学に見学のために立ち入るには、注意点があります。
多くの大学では、高校生を含む一般人の入構を許可していますが、中には、許可をしていない大学もあります。
大学のホームページ等を確認して、一般人の入構が可能かどうかを確認したうえで、大学の見学をしてください。
参考記事「大学への一般人の立ち入りは可能なのか?勝手に大学に立ち入るときの注意点」(内部リンク)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
大学のオープンキャンパスに行きたいという方は、一度、行ってみるのがよいと思います。
一方で、大学のオープンキャンパスに行きたくないという人も少なくないでしょう。そうした人は、無理に行く必要は全くありません。
では、最後に、当記事のまとめです。