大学生になり、一人暮らしをスタートさせるという方も少なくないでしょう。
一人暮らしが始まると、電気代やガス代など、いくつかの公共料金を支払う必要が出てきます。もちろん、NHKの受信料も例外ではありません。
そこで、当記事では、学生におけるNHKの受信料支払いについて述べます。
実は、電気代やガス代とは異なり、NHKの受信料については学生を対象とした免除制度があります。
2023年10月にNHK受信料の学生を対象とする免除が拡大となっています。
NHKの受信料を支払わなくてもよいという大学生も少なくないでしょう。当記事では、受診料の学生免除の対象について述べます。
ただし、学生全員が、受信料を支払わなくてもよいというわけではございませんので、ご注意を。
なお、学生免除を受けるには、手続きが必要となります。
この記事を見てわかること
- NHK受信料の学生免除の制度について
- 2023年10月から始まった受信料免除基準の変更について
- NHKが免除基準を変更した意図について
それでは、詳しく見ていきましょう。
2023年10月の免除基準変更
NHKの受信料について、免除基準があることをご存じでしょうか。
受信料が全額免除される条件は、いくつかあるのですが、そのうち、学生に関するものもあります。
この学生におけるNHK受信料の免除基準が、2023年10月に変更されました。この変更により、対象となる学生が19万件ほど増えたとNHkは見込んでいます。
学生における免除基準について、変更前の基準と変更後の基準を確認しましょう。
学生免除は「学校教育法で規定されている大学や短大、修業年限が1年以上ある専門学校等に通い、親元などから離れて暮らす学生が対象となります」ので、実家暮らしの大学生やいわゆる「シニア大学」の学生は対象外となります。
以前の免除基準
- 奨学金受給対象の学生
- 授業料免除対象の学生
- 市町村民税非課税世帯の学生
- 公的扶助受給世帯の学生
2023年10月以前は、以上の学生がNHK受信料免除の対象となっていました。
現在の免除基準
- 年間収入が一定額(130万円)以下の学生
- 国民年金保険料の学生納付特例対象の学生
- 国民健康保険の修学特例対象の学生
- 奨学金受給対象の学生
- 授業料免除対象の学生
- 市町村民税非課税世帯の学生
- 公的扶助受給世帯の学生
従来の免除基準が拡大する形となっています。
すなわち、「年間収入が一定額(130万円)以下の学生」「国民年金保険料の学生納付特例対象の学生」「国民健康保険の修学特例対象の学生」が新たに追加されたのです。
以下、それぞれの基準をもう少し詳しく見ていきたいと思います。
受信料学生免除について
先ほども述べました通り、現在は、学生において、以下の基準に該当する人が、NHK受信料を全額免除されます。
物価の上昇等に伴う学生の仕送りの減少やアルバイト収入の減少など、学生が経済的に厳しい状況に置かれていることを考慮して、こうした形で、受信料免除の対象が拡大されたということになります。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
年間収入が一定額(130万円)以下の学生
2023年10月より、新たに対象に加えられました。
「年間収入が一定額(130万円)以下の学生」を言い換えると、「社会保険制度において被扶養者になっている学生」のことです。
保険証に「家族(被扶養者)」と記載されていれば、NHK受信料の学生免除の対象となりますので、ご確認ください。
こちらの条件に合致する学生は少なくないと思われます。ぜひ、ご確認いただければと思います。
国民年金保険料の学生納付特例対象の学生
2023年10月より、新たに対象に加えられました。
国民年金保険料について、学生については、保険料の納付が猶予される制度があります。それが、学生納付特例です。
学生納付特例対象の学生は、一般的に稼得能力が無いと認められることから、受信料の学生免除の対象となりました。
国民健康保険の修学特例対象の学生
2023年10月より、新たに対象に加えられました。
国民健康保険証に、㊫と記載されていれば、修学特例の対象となります。
保険証を確認いただいて、㊫と記載されていれば、受信料の学生免除の対象となります。
奨学金受給対象の学生・授業料免除対象の学生・市町村民税非課税世帯の学生・公的扶助受給世帯の学生
「奨学金受給対象の学生」「授業料免除対象の学生」「市町村民税非課税世帯の学生」「公的扶助受給世帯の学生」については、従来から、NHK受信料免除の対象となっています。
例えば、実家の経済状況が厳しいため、大学授業料を賄うためにアルバイトをしているような方は、年間収入が130万を超えてしまうでしょう。
ただし、こうした方についても、NHK受信料免除の対象となりますので、ご安心ください。
受信料を免除してもらうには手続きが必要
NHK受信料の免除を受けるには、手続きが必要です。
そのため、たとえ、免除の対象となっていても、自身で手続きを行うことがなければ、受信料を支払う必要が出てきてしまいます。
手続きは、オンラインで行うことができます。学生免除の手続きを行うにあたり、保険証など自身の状況を示す証明書類が必要となります。
詳しくは、NHKホームページ(外部リンク)で案内がなされているので、ご確認ください。
なお、その際、NHKの受信契約をされていない方は、同時に、受信契約をしていただくということになりますので、ご注意ください。
社会人になるなどして、学生免除の対象から外れると、受信料支払いの対象となりますので、ご留意ください。
NHKの意図
最後に、NHKは、なぜ、学生免除の対象を拡大したのかを考えたいと思います。
学生免除の対象を拡大することに伴うNHK受信料収入の減は、年間約20億円を見込んでいるとのことです。それにもかかわらず、こうした制度を設けたのです。
NHKの資料によると、大きく2つの理由があり、1つ目は、前述した通り、物価上昇等に伴い、学生の経済状況が厳しくなっていることです。
そして、2つ目について、NHKの説明資料には、次のように記載されていました。
インターネット上の情報空間においてはフェイクニュース等の様々な課題も指摘されており、学生を対象とする免除の拡大は、テレビ設置の負担を軽減することで、多様で信頼できる情報を取得したいと考える学生の一助となるものと考えています。
昨今は、若者のテレビ離れも指摘されているところです。
そうした中で、NHK受信料を免除して、少しでも多くの学生にテレビ、とりわけ、NHKの放送を見てほしいという意図があると思われます。
NHK受信料の学生免除の手続きを行う際、受信契約をしていない人は、受信契約の手続きを済ますことが必須となります。
一方で、学生免除の対象になっていても、手続きを行わなければ、学生免除は受けられません(受信契約をせずに、すなわち、受信料を支払わずにNHKを見られますが、これは、放送法上、問題となります)。
こうしたNHKの一連の対応は、学生が社会人になったら、当該人から確実に受信料を取得しようというNHKの意気を感じられます。
最後に
いかがでしたでしょうか。
NHKの受信料については、様々な議論がありますが、学生免除の制度は、受信料制度に反対していない(興味のない)一般的な学生にとっては、喜ばしいものとなるでしょう。
ぜひ、ご活用ください。
なお、NHKのコンテンツは、テレビ(受信機)を持っていなくても触れることは可能です。
例えば、NHKラジオは受信料を支払わなくても聞くことはできますし、NHK NEWS WEBはインターネットに接続していたら誰でも見ることができます(これらのコンテンツも、受信料をもとにつくられているのですが・・・)。
今の時代、テレビを持っていなくても、問題なく暮らせます。大学生になって一人暮らしをするにあたって、本当にテレビが必要なのかどうかも考えてみてください。