父子家庭の長男、当サイト管理人のはしです。現在は、大学生(男)です。
私の父子家庭歴は以下のとおりです。
この記事を書いた人
- 高校生の頃から病気の母親をケア(もともと、母が家事の中心を担ってきた)。
- その後、母は他界。現在は父子家庭。
- 現在、中学生の弟がいる。当然、家事はできない。
母が病気になったころから、家事は母以外の者が担ってきています。
家事に慣れている者(ここでは母)が、急に家事ができなくなったり他界してしまったりしたら、どうやって乗り越えていくべきなのでしょうか。父子家庭に焦点をあてて、息子である私の経験を踏まえて述べていきます。
子どもは家事をするべきなのか。どのくらい振ったらよいのか。この点も考えます。
ただし、最も大切なのは、無理をしないということです。
お父さんであるご自身だけで家事を抱え込むことは望ましくありません。無理は禁物です。
この記事を読んでわかることは次のとおりです!
- 急に父子家庭になったとき、家事・育児はどうするのか。
- 子どもの家事負担はどうするのか。
- 家事の多くを担ってきている子ども(私)の経験。
ただし、他界などで急に父子家庭になると、悲しみのあまり、家事どころではないかもしれません。自分のペースを大切にしてください。
父子家庭もいろいろ
まず、父子家庭(シングルファーザー)にも多様性があるということ述べます
最初に、父子家庭になる要因についてです。主要な要因として大きく2つあります。
- 妻との離婚
- 妻との死別
さらに、離婚の要因や子どもが父についていくことになった要因も考えると、さらにその要因を細分化できます。そもそも、初めから、「妻なんていない」という方もいらっしゃるでしょう。
なお、私は、母(父から見ると妻)との死別により、父子家庭となりました。
父子家庭(シングルファーザー)になる要因は様々なのです。
加えて、子どもの年齢や父親の仕事などなどを勘案すると、父子家庭も千差万別であります。
家事(育児)の負担も、各家庭で全く異なることでしょう。
父子家庭ならではの家事の難しさ
近年は、男性の家庭参加が進んできています。しかし、まだまだ、女性の家事・育児の負担が大きいことも現状です。
家事・育児を一切、もしくはほとんどしてこなかった夫(男性)が、急に父子家庭(シングルファーザー)になったらどうしますか。
「家事・育児をする能力なんてない」と、途方にくれるでしょう。
実際、今も女性の家事・育児の負担が大きいことに鑑みると、途方にくれる男性は少なくないと思います。
また、もちろん、仕事に時間がおわれて、家庭に目をむける時間がないという方もいらっしゃるでしょう。
女性の場合も同様です。ただ、今の社会状況を見ると、女性の場合、家事・育児をする力量はある方が多いと思います。むしろ、正規の仕事につけない等の理由で、仕事が精いっぱいで、家庭にまで目が向かないという方が多い気がします。
急に父子家庭になったら家事・育児は?5つの方法
では、急に父子家庭になったら、どのように対応していくでしょうか。
途方にくれないように、ここでは5つの方法をお伝えしましょう。
一人で頑張る【おすすめしない】
家事・育児を一人で頑張ってみるということが考えられます。
父子家庭になる前から、家事・育児を積極的に行ってきたという方は、可能かもしれません。
しかし、仕事とも両立する必要があります。そうなると、家事や育児を一人でやるのは厳しいと言わざるを得ません。
無理をすれば可能かもしれませんが、お父さんが倒れてしまうと、子どもは置いていかれることになります。一人で家事や育児を抱え込むことはやめたほうが良いと思います。
子どもにも負担をさせる【できたらやめる】
一人では厳しいなら、子どもに家事(や育児)を負担させるということも考えられます。
※育児は、小さな兄弟がいるときのみ。
確かに、子どもが小学生高学年以上であれば、家事をお願いすることは可能だと思います。とりわけ、高校生ともなると、料理などのあらゆる家事をこなすことは可能です。
しかし、子どもに家事(や育児)をさせるのは、望ましくありません。家事などをやらざるを得ない子どもは、今、ヤングケアラーとして問題になっています。
子どもには、将来があります。ヤングケアラーとして家事をやらせると、将来に悪影響が出かねません。
できるだけ、子どもには、家事や育児をやらせない方向で考えてください。
※お手伝いとして、父親が近くにいるなど、監督のもと、何かを頼んでやってもらうことは、場合によってはOKです(お手伝いの拡大解釈は禁物)。
しかし、子どもにも担ってもらわないと家庭がまわらないという方もいらっしゃるでしょう。実際、私も、ヤングケアラーとして、母に代わって家事を行ってきました。
ただ、どうしても、子どもに家事をやってもらわないと途方に暮れるという状況もあるかと思います。
そんなときは、以下の2点を意識して、子どもに家事を振ってもよいか判断してください。
- 子どもが納得をしているのか否か
- 自分がやっても難しい仕事なのか否か
それぞれ見ていきましょう。
1について・・・子どもが納得していなかったら家事は振らないように!
2について・・・自分がやっても難しい家事は振らないように!
とりわけ、料理や洗濯は、難しい家事に分類されると思います。
※ちなみに、私はヤングケアラーでしたが、その環境に納得していたので、家事もみっちりとになってきました(辛いと思ったことはありません)。
私、友達付き合いといったものが苦手だったので、家にいたほうが楽だったのです。そんなことも背景にあるかと思います。
とはいえ「子どもに家事はやらせない」、これが基本です。以下の3つも検討してみてください。
親戚に頼る【無理をさせないこと】
親戚に頼って、家事や育児を行うということが方法として考えられます。
親戚ならば、気兼ねなく、家事や育児について頼ることができます。
実際に、親戚が自宅に来てもらって、家事や育児をやってもらうということも可能ですが、気を付けていただきたいことがあります。
それは、無理をさせないことです。
私の経験となりますが、母が家事ができなくなったとき、近くの祖父母に家事のほとんどをやってもらっていました。
しかし、祖母は、わが孫のためにと、慣れない環境の中、無理をしてでも、あらゆる家事をやっていたのです。結果的に、軽い脳梗塞で倒れてしまいました。幸い、すぐに病院に行ったので、軽症ですみました。
親戚が自宅に来ると、無理をしすぎる場合もあります。そこで、親戚が自宅に来ない形で、頼るのがよいかと思います。
具体例
- 食事のおかずだけを作ってもらい、送ってもらう。
- 少しの間、子ども(赤ちゃん)を預けておく(負担大の可能性、可能なときのみ)。
親戚にも、自身の仕事や生活があります。そうしたことも、考慮したうえで、頼んでみるのがよいでしょう。
私が家の場合は、今も、叔母に弁当のおかずを作ってもらい、冷凍で送ってもらっています。
自治体の制度を利用する【積極的に検討を】
4つ目の方法は、自治体の制度を利用することです。私が最もおすすめする方法です。
実は、多くの自治体では、ひとり親家庭(父子家庭・母子家庭)に対して「日常生活支援事業」を行っています。自治体が家庭生活支援員(ホームヘルパー3級以上の方)を送ってくれて、家事や育児を手伝ってくれるのです。
この事業、基本的には、ひとり親が病気になるなどして、日常生活に支障が生じたときに利用できるものです。
ただ、ひとり親になって間もなく、家事・育児に対して手助けがほしいというときにも使うことができるのです。
この制度を、積極的に利用してください。
申請が必要となります。各自治体の所管している部署(子育て・福祉関連の部署)で相談してください。
※前年の所得によっては、費用負担あり(といっても、安価です)。
※制度を設けていない自治体あり。
日常生活支援事業以外にも、ひとり親家庭に対しては、様々な支援制度があります。行政のホームページなどを確認して、積極的に利用するべきといえるでしょう。
家事代行サービスを利用する【お金があったら】
民間の家事代行サービスを利用するということも方法として挙げられます。
家事のエキスパートが家に来てくれて、掃除や料理など、様々なことをやってくれます。
家を留守にしてても、家事をやってくれる業者もあります。
一方、家事代行サービスで育児は取り扱ってないのがほとんどです。育児については、ベビーシッターの利用を検討するとよいでしょう。
ただ、ネックになるのは、お金です。そのため、経済的に厳しければ、頻繁に利用するのは難しいと思います。
公的なサービス(日常生活支援事業)の利用を優先し、利用ができない場合は、民間の家事代行サービス・ベビーシッターの利用で対応するという形がよいでしょう。
- 一人で頑張る ←厳しい
- 子どもに負担をさせる ←基本的にダメ
- 親戚に頼る ←親戚の無理のない範囲で
- 自治体の制度を利用する ←積極利用を
- 家事代行サービスを利用する ←経済状況にあわせて
だんだん慣れてきます
家事・育児は、やればやるほど慣れてきます。効率よく、短時間で、できるようになってきます。
慣れてきますと、自分だけでやっていけるかもしれません。
私の場合も、家事を始めたときは、病気の母にやり方などをたびたび聞いていました。しかし、母が他界した今は、その甲斐もあり、料理・洗濯・掃除といった基本的な家事はひとりで短時間でできるようになりました。
しかし、とはいえ、仕事に忙殺されているがために、そもそも家事や育児をする時間がないという方もいらっしゃるかと思います。
そうした方は、引き続き、上の5つの方法などで、他人に頼るようにしましょう。
くれぐれも無理をしないで
最後に、大事なことなので、繰り返します。
家事や育児をするとき、くれぐれも無理をしないでください。ひとりで抱え込まないでください。
お父さんがひとりで無理をしてしまい、倒れてしまったら、子どもはひとり取り残されることになります。
やはり、お金を稼ぐためにも仕事が優先になることと思います。
家事や育児は、他人に頼るようにしましょう。
ただし、親戚や子どもにも無理はさせないようにしましょう。彼らが倒れてしまっても、元も子もありません(特に、子どもには、家事を負担させるべきではない)。
「じゃあ、どうすればいいの」という声もあるかと思います。
利用可能ならば日常生活支援事業を活用しましょう。時々、家事代行サービスを頼むのもよいでしょう。そして、その間、もちろん、ご自身の家事・育児のスキルをあげていくことも大事です。
急に父子家庭になったら、このようにして、無理をすることなく、徐々に、家事・育児に慣れていくことが大切です。